ビュット・ショーモン公園 Parc des Buttes Chaumont

パリの北東部19区に位置する広大な緑地はビュット・ショーモン Parc des Buttes Chaumont。嘗ては石切場だったこの地が公園に変わったのは1867年ナポレオン3世時代のことです。起伏に富み、高低差が40メートルもあるのはその名残りで、ここに来るとハイキングに来たような錯覚に襲われます。山の風景を模して造園したので、岩、絶壁、池、見晴らしの良い草原まであります。そこにかかる細い鉄橋はギュスターヴ・エッフェルが作ったもの。同じ年にパリで万国博覧会が開かれ、彼は機械館の設計も手掛けています。そう、この年に公園が完成し、万博も開催されました。当時のセーヌ県知事オスマン男爵がパリ大改造を進めていた時期です。パリの活気が伝わってきますね。


この公園にある2本のイチョウは1913年に植えられました。1本が雄木でもう1本は雌木です。仲良く並んで植えられているので、秋には黄金色の実が生ります。でもイチョウの種がヨーロッパに初めてもたらされた時、これはオランダ経由で17世紀のことですが、当時は雄木のみだったので、どうしても実は生りませんでした。1814年にジュネーヴの近くで雌木の苗が見つかり、この枝を雄木に接木をすることによって実の生る木が作り出されました。ちなみに、この木がフランス語で「40エキュの木 arbre aux quarante écus 」と呼ばれるのは、フランスに初めて5本の若木をロンドンから輸入したド・ペティニ氏が1本に付き40エキュ(フランス革命以前に流通していた通貨単位)支払ったからだそうです。これは1780年のことです。(詳しくは植物公園のHPで)

さて、去年、黄金の実をたくさん付けたビュット・ショーモンの木は元気でしょうか?拾った実を入れる袋と手袋を持って出かけましたが、今年は不作。殆ど実は付いておらず、僅かに地面に落ちていた10粒ほどの種を拾って帰ることになりました。



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